君の声、僕の歌姫

「それってどういう……!?」


ラウトは恐ろしい想像をしました。悪魔のような魔法使いが他にもいるだなんて。

魔法使いは怪しい笑みを浮かべて言葉を続けました。


「ワタシには同じ時を共にした兄弟が2人いる。恐らくは……イフェル。
ワタシの上の兄弟にあたる存在かもしれぬ」


魔法使いはほぼ断言をしました。ラウトはすかさず魔法使いに聞きます。


「イフェルとかじゃない方とかって可能性もあるのに」

「それはない。ネゲルではない。あいつはそんな事をする奴ではない」


ラウトは疑いますが、今は大人しくしておく方が吉と判断したようです。

魔法使いは何かを思い出したかのように、また言葉を発します。