君の声、僕の歌姫

「心当たりがないでもないぞ?」
「本当かっ!?」


魔法使いはラウトに希望を与えるような言葉を発しました。

勿論ラウトはその言葉に食いつかない訳はありませんでした。

ラウトは早くその先を聞かせろと言わんばかりに、

魔法使いに思い切りしがみつきました。その行動に魔法使いは困惑しました。


「よせっ! そんな事をしたら心当たりを教えないぞ?」


魔法使いが何かを知っていると分かった途端、

ラウトは嘘のように魔法使いに対しての態度が変わりました。

素直に自分の手から解放し、改めてラウトは聞きました。