君の声、僕の歌姫

「よく帰ってきたな、我が息子よ……」


ほんの僅かではありましたが、時間が止まったような感覚に陥りました。

ラウトはその言葉に対して微かに震えました。


「嘘……だろ…………?」


漸く振り絞るように出た言葉でした。真偽を確かめようとフェネルの方を見ました。

しかしフェネルは何も言わずにただ黙っていました。


「何で…………」
「教えてやろう。お前、否。お前達の知りたがっている事を」


唯一全く違う表情をしていたイフェルが、過去の出来事を語り出しました。


「始まりは正にあいつとの出会いからだったな……」