君の声、僕の歌姫

派手な音を立てて割れた窓ガラス。

その割れた窓から、ラウトは部屋へと侵入しました。

外は明るかったと言うのに、この部屋だけは真っ暗でした。

来客用だからなのか幾つかのロウソクには火が灯っていました。

その奥へ進むとそこには1人の魔法使いが立っているのが確認出来ました。


「漸く来たか……待ち侘びたぞ」


赤い目に短い黒髪を持った、男。見た目は20代前半か半ば。

フェネルの上の兄弟でもあるイフェルでした。

瞬間、フェネルはラウトの隣へと姿を現しました。


「フェネル、小賢しい真似をしてくれたな……」
「お前よりかは幾分かマシだと思うけどな。イフェルよ」


2人の間には張りつめた糸のような物がありました。