君の声、僕の歌姫

ラウトは駆けて行きました。

1分1秒でも早く取り返してスティーの待つ故郷へ帰らねば、と。

あまりの早さに3人は全くついては行けませんでした。


「ま、待ってよ……そんなに急がなくても……」


キルシュが遠くにいるラウトに向けて言葉を投げますが、

ラウトは聞く耳持たずでした。走り出してからどれくらいが経ったのでしょうか。

ラウトはその古城の扉の前にいました。

後ろを振り向けば、小さくフェアギスが見える程度でした。


『この最上階に、イフェルがいる』


ボソリとフェネルが言葉を漏らしました。