君の声、僕の歌姫

一方村ではその事実を知った者が、大騒ぎでした。

勿論その言葉はローゼとスティーの耳にも入っていました。


「そんな……っ! どうして急に」
「国王が駄々をこねたらしい……ヤバいな。明日の午後3時までに声が戻らなければ……」
「ていうか、国王歳幾つよ!? そこんじょそこらの子供じゃあるまいし……」


教会では相当の焦りを見せるローゼと神父。ただ1人、冷静な人物がいました。

それは当の本人であるスティーでした。

スティーは慌てる事もなく淡々と文字を綴りました。


『私は平気だよ。ラウトは必ず戻って来るし、戻らなくても罰を受ければ良いだけだから』


その言葉にローゼは怒鳴り散らしました。“貴女が罰を受ける必要はない!”と。