君の声、僕の歌姫

理由を聞けばきっと何も答えずに痛い目に見る。ラウトとキルシュはそう思いました。


「いよいよか……」


さっきまで話していた事を聞いていなかったかのように、ハルトは話題を切り替えました。

「そ、そうね……待っていなさいよ! 結婚をもぎ取ってやるんだから!」


キルシュはやる気を見せました。フェアギスを誤魔化す為に。

ラウトもいよいよだとペンダントをぐっと握りしめました。

と、その時でした。ペンダントの石が赤く光ったのは。


「な、何があったって言うんだよ……っ!」
『ヤバいな……国王の気が変わってしまったらしい』
「あらあら……」


話に追い付いていないキルシュとハルトはただ、ポカンとしていました。


『ラウト、気をつけろ。国王の来訪の日取りが大幅に変わった。
明日だ。いきなり国王が良い歳して駄々をこねたらしい。早く女神を見たい、と』


ラウトに焦りの色が見え始めました。