君の声、僕の歌姫

間もなくして遠吠えと共に現れたのは…………


「あーっ!　あの時の……」


真先に声をあげたのはキルシュでした。

それはフェアギスと共に3人を窮地から救ったと言っても過言ではない、

狼の姿をした魔物2頭でした。2頭とも、白い毛並みがよく映えていました。

ラウトは助けてもらった事は知っていても、

狼の魔物に乗った事までは覚えていませんでした。

なのでキルシュが何故驚くのかが全く理解する事が出来ないでいました。


「すぐに分かってくれてこの子達も喜んでいるわよ?　さあ、乗って!」


4人はそれぞれ2手に分かれました。ラウトとフェアギス、キルシュとハルトで。