君の声、僕の歌姫

ハルトは何も言わずに2人とただ止める事もなく、傍観していました。

彼自身は結婚がかかっているとはいえ、

今日決着を付けるか否かはどちらでも良いようでした。


「何で? ハルトは1日でも早く認めてもらいたくないの!?」


その様子にキルシュが不満を漏らしました。するとハルトはぽつりと言葉を発しました。


「今日行った所で、死んだら結婚も何もない。それに焦る事でもないと思う」


キルシュが更に怒鳴ろうとした瞬間、フェアギスがそれを止めました。

彼女もまたハルトと同じ意見なのでした。


「結婚!? まあ、それはさておき……ハルトの言う通り。
今から焦って行った所で、この場の全員がイフェルにやられてお終いよ?」