君の声、僕の歌姫

「俺、てっきりジジイかババアかと……」
「姿や声くらいワタシの力でどうにでもなる」


声も先ほどの老人の声ではありませんでした。

魔法使い曰く本当の姿は誰にも見せないそうで、

誰かの目の前に現れる時は子供の姿をするそうです。


「ってことはあの声の方が本当の……?」
「ああ、あれが本当のワタシの声だ」


ラウトは意外とこの魔法使いは良い奴かもしれないと思いました。

悪魔のようだと言われていますが、そのような雰囲気は微塵もなかったからです。


「で、ワタシはスティーとか言う奴の声を盗んだ覚えはないぞ?」