君の声、僕の歌姫

「死ぬかと思った……」
「ご愁傷様」
「だから死んでいないって!」


息の荒いラウトにハルトは、彼に同情する意味でそう言いました。

が、ラウトはそう言う意味だったと言う事には気付きませんでした。

するとフェアギスが勢いよく手を挙げて、3人に言いました。


「アタシも行かせて貰うわ! だって命の恩人なんだもの。恩返しくらいさせてちょうだい?」


フェアギスを止める理由は何処にもありませんでした。

今は協力者が1人でも多い方が助かると言った状況だったからです。


「それじゃ、早速準備ね! 明日に備えて早く寝なさいな」


先程仲間になったばかりだと言うのに、フェアギスはすっかりリーダー気分でした。