君の声、僕の歌姫

「さーて……目的も済んだって事は、いよいよか?」
「いよいよって?」
「目指せ! 打倒イフェル!」


ラウトの目が闘志に燃えています。此処まで来たのならば、残された目的は1つ。

イフェルからスティーの声を取り戻す事です。

フェアギスはこっそりとフェネルから事情を聴き、ニヤリとしました。


「もうっ! ラウトってば男前じゃない! このこのぅ!」


ラウトを抱きしめ自分の胸に埋(うず)めるフェアギスでしたが、

ラウトからすれば窒息死寸前の出来事でした。それを感じ取ったのはやはりキルシュで、

キルシュがフェアギスに一言言った途端、フェアギスはラウトを解放しました。