君の声、僕の歌姫

「さあて、3人に聞こうかしら。アタシをあいつ等に引き渡す事も勿論可能よ?
アタシを引き渡してお金を貰うか、アタシを見逃すか。さあ、どうする?」


3人が話し合いをする前に真っ先に答えたのはキルシュでした。


「フェアちゃんの命と引き換えって事になるんでしょ? そんなの嫌だよ! フェアちゃん良い人だもん」


ラウトもハルトも意見は一致していたようで、ウンウンと頷いていました。

それを見たフェアギスは“有難う”と呟きました。


「じゃあ、リスタルのマスターにはなんて?」
「見付からないの一点張りで良いじゃない? あの人幾らかかっても良いって言っていたし。
ヴィンデが死んでましたって言って、お金貰うのも嫌だしね」


“ヴィンデは未だに行方不明”と言う事で、この場にいる人間だけの秘密になりました。