君の声、僕の歌姫

勿論敵対している訳ですから、戦闘になる事は必須でした。

しかしヴィンデはそれだけはどうしても避けたかったのでした。

森の中を走り抜け、崖の下を走り抜け……

ヴィンデは掴んだ情報だけでも、と逃げ帰ろうとしました。

が、敵はすぐ目の前までやって来ました。

ヴィンデは近くにいた狼の魔物を手懐けて、狼を乗り物として使いました。

更に鬼ごっこは続き落石の多い崖付近を通過した時でした。

彼が通った後、落石が起きたのです。

その落ちる石は追っ手である敵達に直撃。数十人はそれの下敷きとなりました。

その日は雨。落石のしやすい環境にありました。