君の声、僕の歌姫

「あらあら、なーんでラウトってばアタシの本名知っているの?」
「…………はい?」


ラウトとキルシュはその言葉に耳を疑い、

全く何も知らないハルトは何も感じていないのかただボーっとしていました。

ヴィンデも確かに凄腕の魔物使いだと聞き、共通点がない事はないです。

恐る恐るキルシュはフェアギスに聞いてみる事にしました。


「えーっと……まさかとは思うけど、この人……フェアちゃん?」


写真を渡し、そこに写っている男を見たフェアギスは恥ずかしそうに言いました。


「あらやだ、アタシってばこんなひどい顔していたの?」


ラウトとキルシュはそこで全てを察しました。

この目の前にいる人物こそが、ターゲットであるヴィンデだと言う事を。