君の声、僕の歌姫

「もうっ、抱きしめるくら良いじゃないの!?」
『得体のしれないお前に抱きつかれたくはない』


自分だって一緒のくせに、とフェアギスは文句を言いましたが、

時間の無駄だと悟りさっさと伸びているラウトを、連れて行きました。





「……って訳」
「えーと、じゃあつまりフェアギスはそういう人間で……」
「いやん、そんなの関係ないじゃない?」


青ざめた様子のラウトに抱きつくフェアギス。

その力はお面を被った時のキルシュと、同格なんじゃないかと思えるほどでした。

ちなみにラウトが聞いた中で1番衝撃だった“それ”は、

この事はキルシュは知っているようですが、ハルトは知らないみたいでした。