君の声、僕の歌姫

すると、微かにラウトが夢を見ているのか寝言のようにこんな言葉を呟きました。


「スティー……必ず……俺は…………」


フェアギスはその声を聞くと、どうだと言わんばかりに威張ります。


「ていうか。殺すも何もないわよねえ?
貴方は魔力が殺すと言って、貴方自身が手を下すとは言っていないもの」
「……あれは、半分はったりだ。こいつを脅す為の。
はあ、やる気が失せた。もう少しこいつの行く末を見てやろう」


フェアギスは満面の笑みを浮かべると、フェネルに思い切り抱きつこうとしました。

が、それよりも早くフェネルは元の場所へと帰って行きました。