君の声、僕の歌姫

「あらあら、またピンチね? 仕方ないわねえ……」


颯爽と現れたのはフェアギスでした。

フェアギスは軽々とフェネルの前を通り過ぎ、ゴーレムの目の前にいました。

フェネルはただそれを傍観しているだけでした。

始末してくれるならそれも良いと思ったのでしょう。

するとフェアギスはゴーレムの頬と思わしき場所を撫で始めました。

その様子にフェネルはポカンとしてしまいました。

そんな事でゴーレムを倒せるとでも思っているのか、心の中で思いました。

しかしフェネルの考えとは裏腹に、ゴーレムはフェアギスに懐き始めました。

まるでそれは猫がじゃれているようにも見えました。