君の声、僕の歌姫

「で、此処まで話せばこの場所が何処かは分かるでしょ?」
「まあ、分かるけど。此処はあれだろ? 目的地の……」
「正解っ! ラルドだよ」


目を輝かせてキルシュは言いました。

ラウトにとっては今はそれはどうでも良く、キルシュに続きを話すように迫りました。

しかしキルシュの知っているのは“ラウトを助けたのがフェアギス”と言う事だけで、

他の事を聞かれても困るとの事でした。起き上がり少し離れた所を見れば、

ハルトと問題のフェアギスが楽しそうに話をしていました。


「ラウト、気付いて良かったよ」
「もう丸1日よ? 寝ぼすけさんねえ」