君の声、僕の歌姫

魔物が来たのかと振り向いたキルシュとハルト。

しかしそこにいたのは何時かに出会ったあの金髪の女性、フェアギスでした。


「何で貴女が此処に……」
「里帰りの途中よ。もしラルドに行くんだったら乗せて行くけど?」


乗せる、という言葉の真意が理解出来ない2人でしたが、

背後から人を何人も乗せられる位に大きく、凶暴な狼の姿をした魔物がいました。

キルシュは言葉を失いました。が、ハルトは普段のままでフェアギスに聞きました。


「魔物使いか……?」
「ご名答。アタシの手にかかればこんな子だって、自由自在よ?」


狼に似た魔物は2人に襲いかかる様子も見せず、フェアギスにただ寄り添います。


「だから今は貴方達を襲うなって命令しているわ。安心して」