君の声、僕の歌姫

ラウトが目を覚ました時、そこには見慣れぬ天井がありました。

それは暗がりでよく分かりませんでしたが、茶色い色をしていました。

微かに話し声も聞こえます。一体誰が何を話しているかまでは分かりませんでした。

会話をしていた誰かがラウトに気付き近付きました。


「ラウト!? 起きたの? ったく心配させないでよっ!」


ラウトはその姿をスティーと錯覚してしまったようで、

思わず声が戻ったんだなと笑みを零しました。

しかしスティーではないですし、声も戻った訳ではありません。

彼はまたしても顔を覗き込んでくるキルシュとスティーを勘違いしたのでした。


「うわっ! 何? まだ寝惚けている訳?」


何故か笑みを浮かべるラウトにキルシュは軽く戸惑いました。