君の声、僕の歌姫

「ハルトが助けてくれなかったら……」
「死んでいたね」


あっさりとキルシュの言葉にハルトは返します。

ハルトはまた困った顔をしました。自分は術を使えない、

キルシュは手を痛めて殴る事も蹴る事も出来ない。

このピンチをどう乗り越えようかと悩みました。唯一出来る手段は唯1つでした。


「キルシュ、とりあえず前に進もう」
「え!? 駄目だよ。ラウトが……っ」
「大丈夫だよ。ラウトならすぐに追いつくよ」


キルシュを安心させるようにハルトは優しく言いました。

ハルトの力強い目にキルシュは前に進む事に同意をしました。