君の声、僕の歌姫

それを見ていたのか、突然フェネルの声が降りました。


『大体使いこなせたか。まあ使いこなせない方が不思議だが』


ラウトはフェネルに対して言っているのか、

男達に対して言っているのか分からないような台詞を吐き捨てました。


「此処に来るまでの数日、俺は何もしていないとでも思ったのか!?
スティーの笑顔の為なら俺は何だってやってやるさ!」


ラウトの目は剣と同じ橙色に染まろうとしていました。

男達はその光景に怯みましたが、構わず攻撃を仕掛けようとしました。

ラウトもラウトで男達を迎え撃つ態勢に入りました。

…………その瞬間でした。