君の声、僕の歌姫

「弱い者いじめって格好悪いな」
「うっせぇ! 黙れ! 納得が行かねえんだから、運がなかったと思って大人しくやられな」


数人いた男のうちの1人がラウトにそんな言葉を吐くと、

それが合図でしたと言わんばかりにラウト目掛けて攻撃をしかけました。

周囲の無関係の住人達は、慌てて近くの建物の中へと避難していくのが分かりました。

その場に残ったのはラウトと男達。

恐らく別の場所ではキルシュも同じような目に遭っているでしょう。

ラウトは手に力を込めて、頭の中で炎を想像します。

剣を取り出しその手に溜まった熱いモノを瞬時に剣へ移動させ。

あっという間にただの剣は炎の剣へと姿を変えました。