君の声、僕の歌姫

「な、何でそんな顔するの!? 結婚が認められるんだよ?」


キルシュは真先に反論しました。そう、倒すべき敵であるイフェルを倒す事が出来れば、

キルシュとハルトはめでたく結婚が出来るのです。

それなのに何故ハルトは嬉しそうな顔をしないのでしょう?

ハルトはその理由をポツリと言いました。


「そしたら僕らの旅が終わる。2人きりの時間も」


結婚すれば一緒にいられる時間が増えるだろうに、とラウトは思いました。

が、キルシュはその言葉に感激をしてしまっていました。

ラウトは呆れて言葉も出ませんでした。