君の声、僕の歌姫

3人以外がいなくなったことを確認すると、マスターは改めて挨拶をしました。

ハルトは何が起こったのかが何となくは理解しているものの、

何故自分達への情報提供をマスターが決めたのかと言う事、

やけに大きく開いている穴がどうやって出来たのかと言う事。

それらを理解する事が出来ませんでした。


「ハルトのおかげで、あたし達に権利が回ってきたんだもの! 気にしないで良いって!」


何も分かっていないようなハルトを、キルシュはそう言って励ましました。

しかしラウトは“穴を開けた事くらいは気にしろよ”と思わずにはいられませんでした。


「その代わり報奨金はグンと落ちるよ? あの穴の弁償代は差し引かせて貰う」


ああ、やっぱりなとラウトは思いました。