君の声、僕の歌姫

教会の奥にある部屋へと強行突破しようとしても、

そこには力のある男達がいました。ラウトの何倍も力のある男達。

彼らの前では流石のラウトも何も出来ませんでした。

仕方なく諦めて帰って来たラウトですが、そこで見た物は衝撃的な物でした。


「何言ってるの!? 確かにあの子は此処に来たけど、その根拠は何処にあるって言うの?」
「オレはお前の家から出て来た直後のあの子と話したが、会話だって出来なくなっていた! 
それが根拠じゃなかったらなんて言うんだ!」


ローゼと中年くらいの男が家の前で言い争っている姿でした。

ラウトはそこで知りました。スティーがあの時、家にいた事を。

もしかして、という嫌な予感がラウトの脳裏によぎりました。