…なんだ、コレ?
学校の校門を見た私の感想。
豪華なデザインの立派な鉄製の大きな門が左右に開かれて、見たこともない立派な高級車がどんどんと入って行く。
私が乗せてもらっている車は、その中でも一際立派だけど…
車は全て、校門から優に1kmは先にあるお屋敷みたいな造りの校舎の前に停められる。
車の中からは身なりの良い生徒と執事らしき人が降りて、校舎の中へ入って行く。
藤臣さんに促され、私も車から降りる。
ザワッと周りが賑やかになった。
みんな藤臣さんを見て、口々に
「松本家の藤臣さんがどうしてこちらへ?」
と言ってるのが聞こえる。
尊敬と憧れの眼差し。
そして、次に藤臣さんの隣りにいる私に視線が集まる。
場違いだと私も思っているから、何も言わないで…
藤臣さんの後ろへ隠れるように、私は教室へと向かった。

なるべく目線が合わないように俯きながらも、私はチラチラと校舎や生徒たちを見た。
藤臣さんの口振りからお嬢様学校だと思い込んでいたけど、男子生徒もいるから男女共学なのね。
私と同じデザインの制服の他に、藤臣さんが着てる燕尾服みたいなデザインの制服の男子生徒もいる。
お屋敷のメイドさんたちが着てるような黒いロングワンピに白いエプロン風のデザインの制服を着た女子生徒もいる。
仮装?と思ったけど今は4月。
ハロウィンには早すぎる……
何だかよく分かんない。

撫子と言うプレートの教室の前で藤臣さんが立ち止まり
「こちらが本日よりお嬢様のお教室となります。何かございましたら、お渡しいたしました携帯電話でご連絡をお願いいたします。それでは、良い学園生活をお送りください」
そう言って一礼すると、藤臣さんは行ってしまった。

正直とっても心細いけど、いつまでも藤臣さんに甘えてちゃいけないよね。
学校にもクラスにも早く慣れたいし、女は度胸!
思い切って私は教室のドアノブを掴んで回して開けた。