「はい、どうぞ」
私が応えると、藤臣さんがドアを開けて一礼して入って来た。
「お嬢様、お疲れさまでございます。本日はお天気もよろしいことですし、中庭でお食事になさいますか?」
まだこのお屋敷に来たばかりの私は、自分の部屋以外を殆ど知らない。
うん、中庭でお昼ご飯っていいかも!
「中庭でお願いします」
そう言って、私は藤臣さんの後について行った。
………
私は本当に自分の認識不足を痛感していた。
中庭ってもっとこう…こぢんまりとしたものだと思っていたのに。
パパとママと暮らしていた、戸建ての庭も一般家庭としてはなかなかだと思っていたのに。
目の前に広がる光景は、想像を絶するものだった。
豊かな緑に囲まれた中庭は、どこの庭園?って広さで、きちんと手入れされた植物が見事で…
私の貧相なボキャブラリーでは言い表せない素晴らしさだった。
唖然としている私をよそに、藤臣さんは丁度木陰になっているテラスに、お昼ご飯の準備を手際良くしている。
「お嬢様、こちらへどうぞ」
テーブルとお揃いの白い椅子を引いて、藤臣さんは私を座らせてくれた。
「本日はサラダとスコッチエッグのトマトソースとフレッシュジュースでございます」
やっぱりよく分からなかったけど、目の前に並べられたお昼ご飯は美味しそう。
「いただきます」
私はトマトソースのかかったゆで卵入りハンバーグみたいなものを、一口サイズに切って口に運んだ。
噛み締める度に肉汁が口の中に広がって、トマトソースの酸味とゆで卵のほのかな甘味が絶妙で、私は夢中で食べた。
ふと我に返ると、藤臣さんが空いたグラスにジュースを注いでくれている。
…私だけ食べてて良いのかな?
「藤臣さんは召し上がらないんですか?」
私の質問に藤臣さんが目を丸くしている。
また私、ヘンなこと言ったかな?
見上げている私に、藤臣さんは
「わたくしども使用人は賄いがございますので、お嬢様はお気になさらずお召し上がりください」
と言って、ジュースの入ったボトルを氷が沢山入ったワインクーラーみたいな入れ物に戻した。
なんか1人で食べるのって気が引けるし、つまんないんだけど…
あんまり我が儘を言って、藤臣さんを困らせちゃダメだよね。
私が応えると、藤臣さんがドアを開けて一礼して入って来た。
「お嬢様、お疲れさまでございます。本日はお天気もよろしいことですし、中庭でお食事になさいますか?」
まだこのお屋敷に来たばかりの私は、自分の部屋以外を殆ど知らない。
うん、中庭でお昼ご飯っていいかも!
「中庭でお願いします」
そう言って、私は藤臣さんの後について行った。
………
私は本当に自分の認識不足を痛感していた。
中庭ってもっとこう…こぢんまりとしたものだと思っていたのに。
パパとママと暮らしていた、戸建ての庭も一般家庭としてはなかなかだと思っていたのに。
目の前に広がる光景は、想像を絶するものだった。
豊かな緑に囲まれた中庭は、どこの庭園?って広さで、きちんと手入れされた植物が見事で…
私の貧相なボキャブラリーでは言い表せない素晴らしさだった。
唖然としている私をよそに、藤臣さんは丁度木陰になっているテラスに、お昼ご飯の準備を手際良くしている。
「お嬢様、こちらへどうぞ」
テーブルとお揃いの白い椅子を引いて、藤臣さんは私を座らせてくれた。
「本日はサラダとスコッチエッグのトマトソースとフレッシュジュースでございます」
やっぱりよく分からなかったけど、目の前に並べられたお昼ご飯は美味しそう。
「いただきます」
私はトマトソースのかかったゆで卵入りハンバーグみたいなものを、一口サイズに切って口に運んだ。
噛み締める度に肉汁が口の中に広がって、トマトソースの酸味とゆで卵のほのかな甘味が絶妙で、私は夢中で食べた。
ふと我に返ると、藤臣さんが空いたグラスにジュースを注いでくれている。
…私だけ食べてて良いのかな?
「藤臣さんは召し上がらないんですか?」
私の質問に藤臣さんが目を丸くしている。
また私、ヘンなこと言ったかな?
見上げている私に、藤臣さんは
「わたくしども使用人は賄いがございますので、お嬢様はお気になさらずお召し上がりください」
と言って、ジュースの入ったボトルを氷が沢山入ったワインクーラーみたいな入れ物に戻した。
なんか1人で食べるのって気が引けるし、つまんないんだけど…
あんまり我が儘を言って、藤臣さんを困らせちゃダメだよね。

