「淑乃様、お目覚めの時間でございます」
いつもより少し早い時間に藤臣さんが起こしてくれた。
昨日は夕ご飯もお風呂も忘れて爆睡しちゃったから、シャワーの時間を配慮してくれたんだよね。
藤臣さん、良い奥さんになれるよ、絶対!
アーリーモーニングティーを飲んで目を覚まし、私の部屋のバスルームでシャワーを浴びる。
はぁ…漸く頭もスッキリとして来た。
んぅ~…何か引っ掛かっているんだけど、何だっけ?
むぅむぅと悩むこと1分。
あぁ!ソファーで寝ちゃったのにベッドで起きたんだ!
きっと…ううん、絶対に藤臣さんが運んでくれたんだよね?
お礼を言わなくっちゃ!
「藤臣さん、藤臣さん!」
慌てて私はバスルームから飛び出した。
私を見て藤臣さんが慌てて目を逸らすから、ふと視線を落とす。
わぁっ!バスローブ姿のままだし!
「きゃっ?」
慌てすぎてよろけた私に気付いた藤臣さんが、咄嗟に手を伸ばして抱き留めてくれた。
「…ご免なさい~」
藤臣さんの胸に手を当てて自力で立とうとしたけど、腰と後頭部に回された藤臣さんの腕に阻止される。
腕に力を込めてもビクともしないどころか、藤臣さんの腕が更に私を抱き寄せて体が密着する。
「ふ…藤臣さん?」
バクバクと煩い心臓の音がバレないように声を張ったけど、実際には弱々しい声しか出なかった。
「このようなはしたないお姿で人前にお出になられてはいけません。お解りになりましたか?」
耳元で甘く優しくバリトンボイスで囁かれ、私の心拍数は更に跳ね上がった。
ビクッと体が硬直すると、藤臣さんが深く溜め息を吐いたのが分かった。
呆れられたよねぇ?
私が泣きそうになった時、藤臣さんの腕に更に力が込められる。
「っん…」
苦しくて思わず出た声を切欠に、スッと藤臣さんが体を離し、私の体をクルッと回してバスルームに押し込んだ。
「15分で準備をなさってください。お時間が過ぎましたら、ブレックファストは抜きでございます。お急ぎください、淑乃様」
うぅ…藤臣さんが怒っている……
私は慌ててドライヤーを掴んだ。
その頃、藤臣さんが壁に凭れてグッタリしながら
「朝からバスローブ1枚とは…私の理性を試しているのか?鈍いにも程があるだろう…」
とボヤいてたなんて、準備に大慌ての私が気付く筈もなく…
いつもより少し早い時間に藤臣さんが起こしてくれた。
昨日は夕ご飯もお風呂も忘れて爆睡しちゃったから、シャワーの時間を配慮してくれたんだよね。
藤臣さん、良い奥さんになれるよ、絶対!
アーリーモーニングティーを飲んで目を覚まし、私の部屋のバスルームでシャワーを浴びる。
はぁ…漸く頭もスッキリとして来た。
んぅ~…何か引っ掛かっているんだけど、何だっけ?
むぅむぅと悩むこと1分。
あぁ!ソファーで寝ちゃったのにベッドで起きたんだ!
きっと…ううん、絶対に藤臣さんが運んでくれたんだよね?
お礼を言わなくっちゃ!
「藤臣さん、藤臣さん!」
慌てて私はバスルームから飛び出した。
私を見て藤臣さんが慌てて目を逸らすから、ふと視線を落とす。
わぁっ!バスローブ姿のままだし!
「きゃっ?」
慌てすぎてよろけた私に気付いた藤臣さんが、咄嗟に手を伸ばして抱き留めてくれた。
「…ご免なさい~」
藤臣さんの胸に手を当てて自力で立とうとしたけど、腰と後頭部に回された藤臣さんの腕に阻止される。
腕に力を込めてもビクともしないどころか、藤臣さんの腕が更に私を抱き寄せて体が密着する。
「ふ…藤臣さん?」
バクバクと煩い心臓の音がバレないように声を張ったけど、実際には弱々しい声しか出なかった。
「このようなはしたないお姿で人前にお出になられてはいけません。お解りになりましたか?」
耳元で甘く優しくバリトンボイスで囁かれ、私の心拍数は更に跳ね上がった。
ビクッと体が硬直すると、藤臣さんが深く溜め息を吐いたのが分かった。
呆れられたよねぇ?
私が泣きそうになった時、藤臣さんの腕に更に力が込められる。
「っん…」
苦しくて思わず出た声を切欠に、スッと藤臣さんが体を離し、私の体をクルッと回してバスルームに押し込んだ。
「15分で準備をなさってください。お時間が過ぎましたら、ブレックファストは抜きでございます。お急ぎください、淑乃様」
うぅ…藤臣さんが怒っている……
私は慌ててドライヤーを掴んだ。
その頃、藤臣さんが壁に凭れてグッタリしながら
「朝からバスローブ1枚とは…私の理性を試しているのか?鈍いにも程があるだろう…」
とボヤいてたなんて、準備に大慌ての私が気付く筈もなく…

