会長室の扉をノックもせずに開け飛込む。
背中で扉を閉めて鍵を掛けた。
「晶?」
透弥さんが眼を丸くしていた。
肩でしていた息を整え、
「何でもないの」
笑い返すと、
眉を潜め、
「何でもないって風には見えないけど?」
ドアに背中を預けたままの私に、ゆっくり近付く。
射程距離に入ってくる前に、
「早く、透弥さんに会いたかったから」
透弥さんの胸に飛込んだ。
眼を細めて抱き締められた腕の中で、私は耳を澄ませていた。
扉の外にはさっきの人が居るかもしれない。
どこの誰か分からないけど余計な心配はかけたくないから。
そのことに気を盗られて忘れていた、透弥さんに抱き締められるのが久々だったことに。
「…晶」
濡れた声にも気付けなかった。
ただ息を潜め背中に全神経を集中させていた。
その時、乱暴に扉をノックする音に体が跳ねた。
透弥さんの体が離れそうになり、
「だっ…ダメ」
背中に腕を回して抱き寄せる。
困ったような声で、
「晶?」
戸惑いがちに髪を撫でられる。
尚も響くノックに透弥さんが息を吐く。
駄目だ透弥さんを困らせてる。
アイツじゃないかもしれないし。
見上げれば優しく見つめ返され、
透弥さんから離れた。
背中で扉を閉めて鍵を掛けた。
「晶?」
透弥さんが眼を丸くしていた。
肩でしていた息を整え、
「何でもないの」
笑い返すと、
眉を潜め、
「何でもないって風には見えないけど?」
ドアに背中を預けたままの私に、ゆっくり近付く。
射程距離に入ってくる前に、
「早く、透弥さんに会いたかったから」
透弥さんの胸に飛込んだ。
眼を細めて抱き締められた腕の中で、私は耳を澄ませていた。
扉の外にはさっきの人が居るかもしれない。
どこの誰か分からないけど余計な心配はかけたくないから。
そのことに気を盗られて忘れていた、透弥さんに抱き締められるのが久々だったことに。
「…晶」
濡れた声にも気付けなかった。
ただ息を潜め背中に全神経を集中させていた。
その時、乱暴に扉をノックする音に体が跳ねた。
透弥さんの体が離れそうになり、
「だっ…ダメ」
背中に腕を回して抱き寄せる。
困ったような声で、
「晶?」
戸惑いがちに髪を撫でられる。
尚も響くノックに透弥さんが息を吐く。
駄目だ透弥さんを困らせてる。
アイツじゃないかもしれないし。
見上げれば優しく見つめ返され、
透弥さんから離れた。