「何でもないから…」

呟いて、体を離した。

「この間の保護者会の内容と、
当日のルールやマナーを詳しく表記したものだよ」

眼鏡を指先で押し上げ、
生徒会長の仮面を被る。

「後は近隣住民への願書と挨拶」

パソコンに向かい合ってしまって

「…朋弥さんにも何?」

顔も向けずに、

「時間ないから…手動かして」

痛言する。

【アイツも俺を侮ってやがった。許せねぇんだよ…】

朋弥さんの悲痛な声がリバイブし胸を締め付ける。

透弥さんは朋弥さんのことホントはどう思ってるの?

【朋弥も頑張ったんだ】

って嬉しそうな透弥さんがいた。

それだけでも朋弥さんが思ってる様な感じはしなかった。

もしも誤解ならなんとかならないのかな?

何がきっかけで擦れ違ってしまったのかな?

私に出来ることないのかな?

透弥さんも朋弥さんも多分お互いに認め合ってるはずなのに。

「宛名も本当は印刷出来るけど、それだと誠意が伝わらないから」

いつの間にか正面に移動して、

「疲れたでしょ?少し休憩しなよ残りは僕が書くから」

リストに目を通し、

「ほとんど終わらせてくれてるね助かるよありがとう」

目尻を下げる。