パパが"そう"なったのは、 昔からそうだったからじゃない。 三年前、ママが死んでからだった。 真っ暗な部屋の中、 パパの呼吸だけが聞こえてて、 それがとんでもなく怖かった。 今でも思い出すその瞬間は、怖くて怖くて仕方ない。 だけど、そんなパパでも、 ひどい親だって思っても、 あたしにとってはたったひとりのひとだった。 だから、誰にも言えない。 これは、あたしだけの秘密。 タマちゃんにも、 ニナにも、 涼子にも、 そして―竜也にも、 誰にも言えない、あたしだけの秘密。