けれどあたしに信じる心はもう、
欠片ほども残ってないの。
「あたしは泣かないよ。だってもう死ぬんだから」
「それは俺が許さない」
「先生が許してくれなくたって、あたしは死ねる。
ずっと前から、決めてたことなの」
「だったらおまえが勝手に死なないように、鎖に繋いで部屋に閉じこめておけばいいんだな」
ぶっそうなことを真剣な顔で言う先生。
でもばかなあたしにはそれすら、
愛らしきものに聞こえたんだ。
「どうして、そこまで……」
「好きだからだ。何回でも言うぞ。信じてもらえるまで。
おまえが好きだ、シキ」
「嘘だよ……」
やめてよ先生。
もうあたしは信じたくないの。
裏切られたくないの。
叶わないことを、願いたくはないの。


