_____
_______
あれは、
雪のちらつく冷えこんだ日のことだった。
姫衣の受験の日、あたしは浅倉の家にいた。
あたしを浅倉に返して姫衣を手に入れたかった名取は、
そうやってあたしを定期的に浅倉の家に泊まらせていたんだ。
もちろん両親が金で売ったあたしを歓迎するわけもなく、
あたしはいつもお客さま扱い。
姫衣はただ、なぜ戻ってこないのかとあたしを責めるだけだった。
悲しくて、
ついいたずら心で。
姫衣の受験の日、あたしは妹の受験票をカバンから抜き取った。
すぐ気づくと思ったのに姫衣はそのまま会場に向かってしまい、
結局あたしは受験票を会場まで届けに行った。
_______
あれは、
雪のちらつく冷えこんだ日のことだった。
姫衣の受験の日、あたしは浅倉の家にいた。
あたしを浅倉に返して姫衣を手に入れたかった名取は、
そうやってあたしを定期的に浅倉の家に泊まらせていたんだ。
もちろん両親が金で売ったあたしを歓迎するわけもなく、
あたしはいつもお客さま扱い。
姫衣はただ、なぜ戻ってこないのかとあたしを責めるだけだった。
悲しくて、
ついいたずら心で。
姫衣の受験の日、あたしは妹の受験票をカバンから抜き取った。
すぐ気づくと思ったのに姫衣はそのまま会場に向かってしまい、
結局あたしは受験票を会場まで届けに行った。


