姫衣が行きたくないと泣きわめくから、
あたしは姉として自分から行くしかなかった。
「あたしががんばれば、もしかしたら姫衣のことも引き取ってくれるかもしれない。
子どもだったから、そんな希望を持っていたの」
必ず迎えに行くと約束して、
あたしは姫衣と別れた。
待っていたのは地獄。
義母による折檻つきの教育と、
異常な性癖を持つ義父によるレイプ。
あたしは傷だらけになりながらも耐えた。
姫衣の存在が救いだった。
けれど、
姫衣はあたしの迎えを待たず、施設を出た。
あたしたちの本当の両親が、迎えに来たのだ。
驚きはあったけれど、
それ以上にあたしは嬉しかった。
やっと姫衣と一緒にいられるようになる、と。


