彼女は、
シキは、自分のことを大切にしたり、優先したりするタイプではない。
自分のことは2の次の次。
もっと言うと、自身のことはどうでもいいとさえ考えているようだ。
それは演技などではなく、もともとの彼女の本質なのではないかと思うのだ。
「やっぱり先生は、オルハの肩を持つんですね」
「そうじゃない」
「……許さない」
浅倉はぼそりと呟いて、
強く俺を睨みつけた。
「あたしの知らない人なら、いくらでもがまんできた!
でも……オルハだけは絶対に許せない!」
オルハにだけは、渡さない!
そう悲痛な声で叫んで、浅倉は俺の体を強引に引き寄せて、
今度こそしっかりと、唇を重ねてきた。
まずい!
そう思った直後、ガシャンと何かがぶつかる音が響いた。


