「あたしとオルハは、実の姉妹です。同じ血が流れてます」
「いや……だが、従姉妹だって」
そうだ、この学校の誰もがそう言っている。
名取と浅倉はよく似た従姉妹だと。
名前だって、違うじゃないか。
俺の心を読んだように、浅倉は首を振った。
「オルハがそう言ったのか知りませんが、従姉妹なんかじゃないです。
うちと名取の家はなんの血縁関係もありません」
「だったら……」
「7月7日。あたしとオルハの誕生日です。
だから名前が……2人合わせて“織姫”」
「あ……」
「センスのない名前でしょう?」
そんなことより、
俺は去年のその日のことを思い出した。
去年の七夕、俺はシキと過ごしていて……。
あの時の、
彼女の涙の理由がなんとなく、わかった気がした。


