その声が聞こえた瞬間から、
抑えられない震えが戻ってきた。
カチカチと鳴る歯のすきまから、
「来な……で」
拒絶の言葉がもれる。
いけない。
耐えなければ。
いまさらなにを嫌がる必要があるというのか。
散々いろいろな男と寝てきたくせに。
慣れていることだ。
いままでしてきたように、
心を閉じて、体を開けばいい。
「声を上げるなよ。近所迷惑になるのは困るだろう」
楽しそうにそう言って、
男はあたしの服に手をかけて、乱暴に前を開いた。
ボタンがはじけ飛ぶ。
性急に、胸の谷間を這うぬめった舌。
生ぬるく荒い息。
気持ち悪い!
気持ち悪い!
気持ち悪い!


