どれだけ傷つけようとしても、
どれだけ汚してしまおうとしても。
先生は先生のままで、なにも変わらない。
あたしの手では、届かない。
そう言われているようで、悔しかった。
ただ、自分ばかりが醜くなっていくばかりで。
悲しくて苦しくて虚しくて。
いまだって、
すぐにでもこの世から消えてしまいたいとさえ思ってる。
だから、
「抱いてくれたら、話してあげる。
教師なんて辞めて、ただの男になって優しく抱いてくれたら……」
「シキ。俺は真剣に言ってるんだ」
「あたしだって、真剣だよ」
だから、堕ちるところまで堕ちて。
あたしらしく、醜く潰れてしまおうと思う。
「真剣に考えて、先生はそれができないってことなんでしょう。
先生にとって、あたしはその程度の存在なの」
それは事実だ。
だから先生は、黙りこんだ。


