浅倉は俺たちを、
いやシキをきつく睨みつけるとつかつかと近づいてきて。
思いきり、シキの頬を平手打ちした。
自分と同じ顔をぶつというのは、どんな気分だろうか。
俺は2人を間近で見ながら、まるで傍観者のように考えた。
「離れて! なんで先生に近づくのっ!? なんで先生に近づいたの!!」
「浅倉……?」
「あたしへの嫌がらせなんでしょ!? あたしが先生のこと、好きだってわかってて……っ」
優等生然とした、いつもの浅倉はそこにない。
必死な様子でシキを睨みつける浅倉。
こんな表情もするのかと驚く。
この2人の関係は、
本当にただの従姉妹というだけなのだろうか。
シキは俺のひざの上からどき、
浅倉と真正面から対峙する。


