「あの男子とじゃ、眠れないのか」
俺の言葉に、シキは小さく笑った。
「だったらなに? 先生が一緒に寝てくれる?」
うすい笑みをはりつけて、シキは俺の胸をとんと押した。
少しよろけた俺は、真後ろにあったイスに倒れるように座る。
「ねぇ先生。前みたいに、あたしと一緒に寝てくれるの?」
俺のひざの上に、シキが座る。
こんな風に身体を寄せるのは久しぶりのことで、
らしくなく緊張した。
彼女の香りに、胸がざわつく。
「先生。まだ……あたしのこと、好き?」
「シキ、やめろ。どくんだ」
「一緒にベッドで眠ってくれたら、また前みたいに星次さんて、呼んであげる」
「シキ……」
「それともいますぐ、呼んでほしい……?」
白い手が、俺の首のうしろにまわっていく。


