先生は聞きたくないと言うように、顔をそむけた。
やっぱり、まだそういう関係にはなってなかったらしい。
わかっていた。
だってあの日、先生はあたしを選んだんだから。
「それに、あたしだっていまはもう生徒だよ」
先生の手をとり、自分の胸に持っていく。
先生を刺激するように、体をぐいと押し当てる。
「やめろ、シキ……」
「シキはもういないの。あたしはオルハだよ」
「オルハ……」
「そうだよ。もっと呼んで。……ねぇ先生。あたしのこと、まだ好き?
あたしを抱きたい?」
自然と2人の顔が近づいていく。
声がささやきに変わっていく。


