職員室に行くと、色んな先生に声をかけられた。
「浅倉の親戚なんだってね」
みんな同じ言葉しか吐かない。
あたしが想像していた以上に、浅倉姫衣は人望があるらしい。
賢くて、運動にも秀でていて、音楽の才能に恵まれて。
誰にでも好かれる
神様に愛された女のコ。
昔はそうでもなかったのに、
あんたはいつからそんなカリスマ性を手に入れたんだろうね。
「じゃあ月曜からは、うちの制服で来れるんだね?」
「はい。すみませんでした、間に合わなくて」
「業者の手違いなら仕方ないよ。じゃあ名取、気をつけて帰れよ」
「はい。先生、明日からよろしくお願いします」
担任に行儀よく挨拶をして、職員室を出た。


