「その制服って、藤女のだよね? すごーい」


「なんで藤女からうちに来たの?」


「うちの編入試験て難しいんでしょ? やっぱり名取さんも、姫衣ちゃんみたいに頭いいんだ?」



遠慮のない質問に、あたしはにこやかに笑ってみせた。



ばかばかしいと思いながら。



「あたしなんて全然だよ。姫衣はレベルがちがうもん」



嫌味にならないよう、控え目を装って。


面倒なことは避けたいから、この学校であたしは嫌われなければそれでいい。



好かれる必要はまったくないの。



「あー。やっぱりうちのトップは別格なんだねぇ」


「ほんとすごいよ彼女は」


「そうだね。じゃあみんな、明日からよろしくお願いします」



どうせ長くはいないだろうけれど。