思わず俺は振りかえる。


浅倉の顔は青褪めて、


驚愕の表情をつくっていた。



「おお浅倉。おまえの親戚らしいな」



隣りのクラスの担任が、のんびりとした口調でわりこんでくる。



「あんまり似てて、びっくりしたぞ」



びっくりしたのは俺だ。


親戚?


浅倉と……?




「なんで……」


「あんたの入試の時以来だったっけ。なんだ、1年以上会ってなかったんだ」





でも、変わってないね。




笑顔で、けれどどこかバカにしたように言って、


彼女は担任と隣りのクラスへ消えていった。



扉を閉める瞬間、俺の方を見て笑ったのは



間違いなく、シキだった。







あれほど願った再会は



悪夢のはじまりに思えた。