担任の教諭と一緒に新クラスへ向かうと、
教室の前に浅倉たち女子が輪を作っていた。
「こら、おまえたち。HRはじめるぞ~」
今年40才になった体育の里谷教諭が声をかけると、女子たちが騒ぎだす。
「きたきた~!」
「安藤先生じゃん!」
「里ちゃんとアンドレ、どっちが担任なのー?」
「先生たちはおまえたちの友だちじゃないんだぞ。まったく、担任は俺だよ」
「えー、里ちゃんなのぉ?」
「悪かったな。ほら、さっさと教室に入る!」
里谷先生にうながされ、
生徒たちは文句をながら教室に入る。
本当に担任じゃなくてよかったと、俺はあらためて思った。
ストレスできっとハゲる。
俺はまだハゲたくはない。


