「そろそろ帰る?」 その日の放課後、いつものように准は私の机の傍に来て私に声をかける。 「ちょっ…ちょっと待って!」 私は慌てて荷物をカバンに押し込める。 私ってば、准を待たせてばかり…。 本当にトロいな…私。 「ちゃんと待ってるから、そんなに急ぐなよ。俺…わりと気は長いから。」 准は私の前の席に座ると私の方にイスを向けた。 背もたれに肘をついて、帰る準備をしている私を見つめる。 そんなに見られてると、緊張して準備が手につかないよ…。