なんで、
そんなことサラッと言えるわけ?
どうして?
浩人くんの気持ちがわからないよ。




「くぁー。うたったねー。」

浩人くんがチラッとわたしの方を見る。

「しっかし、
未央の歌って・・・。」
「な、なによ。
私が音痴っていいたいの?!」
「ち、違うよぉ。
そんなこといってないじゃん。」
「・・・。
もう、知らない」
「機嫌直して。
これからがメインなんだから。」
「メイン?」
「そ、メイン。
屋上いくよ。」
「ちょ、腕引っ張らないてよ!!」


そして、私たちは
かなりある階段を駆け上がる。


そこには
街のきれいな風景が広がっていた。

でも、そんなことよりも
もっときれいなのは...


花火。



「・・・。
今日花火、
だったの?」
「そだよ。
知らなかった?」
「し、知らなかった・・・。」
「ここ、きれいでしょ。
俺が見つけたんだ。
俺たちだけの秘密な?」
「あ、うん・・・。」

思わずうなずく。

本当にきれい・・・。
わざわざ
これを見せるために
誘ったんだ。

胸がキュンとなる。


ふと横の浩人くんを見ると目があう。


・・・。な、なによ。