経験則からなる予想。
外した事のが少ない幼なじみとしての勘。
けど今回は何故か外れた。
珍しいな。と思う。
結局、訪れたのは沈黙と重い空気。発生源は言わずもがな。
僕にとっては慣れたものだったけど、加奈には肌が合わなかったのだろう。
それが終わりを告げるのにそれ程時間は掛からなかった。
「私が告白成功したら諦は独りで帰ることになるんだよ。寂しくないの?」
「さぁ。仮定の事を考える趣味はないからな」
仮定の事。ねぇ。
言った後、なんとなく面白くなって僕は笑った。
加奈に告白されてなびかない奴が学校にいるのか?
そう考えた時、下される答えは一つしかなかった。
「……何を笑ってんの?」
「いや、何でもない」
「キモイよ諦」
「そうか」
「そうだよ」
「………」
「………」
また、沈黙が訪れた。